「スギ花粉症」と「ダニ抗原に対するアレルギー性鼻炎」が、アレルゲン免疫療法(舌下免疫療法)の対象です。※服用前に確定診断が必要です。
スギ花粉やダニ抗原を原料とした錠剤を少量から舌下に連日投与することにより、体を慣らしてスギ花粉やダニ抗原によるアレルギー症状を和らげる治療です。
(アレルゲン免疫療法についてはこちらのぺージでも詳しく紹介されています。)
約8割の方が効果を実感されています。
舌下免疫療法治療薬シダトレンが発売される以前に、この治療を受けられた方々の国内臨床試験結果によると、シダトレンによる舌下免疫療法を約2年間行った方266人のうち、
- ①約6割の人が花粉症の症状が軽くなり、
- ②約2割の人が完解する(症状がほとんど出なくなる)
- ●スギ花粉症患者
- ●ダニアレルギー患者
- ※対象者はスギ皮膚反応テスト陽性や採血によるスギ特異的 l g E 抗体陽性の方
- ※対象者はダニ抗原皮膚反応テスト陽性や採血によるダニ特異的IgE抗体陽性の方
- ※他院で検査したことのある方は結果を御持参ください
- ①重症気管支喘息患者
- ②高齢者(65歳以上)
- ③妊婦・授乳婦
- ④非選択的β遮断薬内服患者
- ⑤全身性ステロイド薬内服患者
- ⑥悪性腫瘍・自己免疫疾患・免疫不全患者
新たに治療開始できる期間
●スギ花粉症患者
花粉の飛散時期(1月~5月)は、治療の開始ができません。
6月~年内にご相談ください。
●ダニ抗原に対するアレルギー性鼻炎
季節問わず、いつでも開始できます。
受診日(スギ花粉症・ダニアレルギー症 共通)
- 問診、鼻内所見などの診察
- 検査によるスギ花粉症・ダニアレルギー症の診断と他のアレルギー反応(ハウスダスト・カビ類など)の合併の有無の判定
- 治療を受けられない患者に該当しないことの確認
- 治療継続意志の確認
注:詳細な問診と治療の説明が必要ですので、後日改めて説明させていただくこともあります。
治療対象者には治療開始となります。
治療開始日(スギ花粉症・ダニアレルギー症 共通)
治療開始日は時間に余裕を持って来院ください。
受付終了1時間前までに御来院ください。
- 「スギ花粉減感作療法薬」または
「ダニアレルギー症花粉減感作療法薬」の処方 - ※当医院は院外処方のため、調剤薬局にて処方および服薬指導を受けてください。
- 実際に舌下に投薬する。
- 滴下後30分は院内にて安静に過ごしていただきます。
30分経過後再度診察いたします。 - 治療による副作用がないことを確認し、
今後の治療方法を説明します。 - 治療説明を理解了承され、診察終了となります。
【スギ花粉症の場合】
治療開始日~2週間目
●シダキュア® スギ舌下錠
【治療スケジュール】
【服用方法】
1日1回1錠 舌下にて1分間保持下の後、飲み込む。その後、5分間はうがい・飲食はしないでください。
【ダニアレルギー症の場合】
治療開始日~2週間目
ダニ舌下錠は2種類の薬剤があります。
●ミティキュア® ダニ舌下錠
【治療スケジュール】
【服用方法】
1日1回1錠 舌下にて1分間保持下の後、飲み込む。その後、5分間はうがい・飲食はしないでください。
●アシテア® ダニ舌下錠
【治療スケジュール】
【服用方法】
1日1回1錠 舌下にて約2分間保持下の地、飲み込む。その後、5分間はうがい・飲食はしないでください。
3週目~
1日1回同じ量の薬剤を舌下に投与していただきます。
これを3年から5年は継続していただきます。
受診は月1回必要となります。
舌下免疫療法は、「スギ花粉症」や「ダニアレルギー症」の症状を緩和できる可能性がある治療ですが・・・
- ①もともとアレルギーを起こす薬を体内に入れるため、アレルギー反応が過剰にでる可能性があること(アナフィラキシーショック)
- ②治療期間が長期間であること(3~5年間)
- ③1か月毎に受診が必ず必要なこと
- ④治療した方全員に効果がでるわけではないこと
このようなことをご理解される必要があります。
かなり手間と時間がかかる治療ですが
効果を実感されている患者さんも多いので御検討ください。